HACCP(ハサップ)とは衛生管理手法の一種であり、アメリカ合衆国にて誕生し1971年に発表された概念です。1960年代における宇宙開発、アポロ計画を企てる中でNASAおよびアメリカ合衆国陸軍の手によって、宇宙食の安全性を確保するために考案されました。当初は別分野で活かされる手法が食品業界にも評価され、のちに世界へと広まっていき現在は国際的な衛生管理の手法として確立されています。危害を意味するハザードと分析・アナライズ、重要性を示すクリティカルおよび管理を表すコントロール、そしてポイントのそれぞれの頭文字から取ったのがHACCPです。
前半のHAの部分は危害要因分析という概念で、人体に有害な微生物や化学物質・異物などが食品内に混入および増殖したことにより、発生しうる危害を予測して管理する手法を意味します。一方後半部分のCCPは重要管理点を意味しており、HAすなわち危険要因に対する分析に基づいて、その要因を最小限になるまで取り除くべく製造・加工の工程を管理する概念です。一例として挙げられるのは食品・食材の加熱や冷却、包装についてや時間および温度の管理が該当します。製造工程を細分化することで、それぞれの工程ごとのリスク管理を行うのがHACCPの真意です。
この手法によって管理を行うことにより、問題が生じる可能性のある商品が市場に出ることを未然に防げます。加えて仮に食品事故が起きた場合においても、製造工程の中でどの部分に問題があったのかを特定しやすいという点もメリットです。