食中毒は細菌やウイルス、有害物質が原因となって起こるので食品を扱う企業は普段から適切な温度管理を行わなければなりません。特に気温が高くなる6月から9月にかけては細菌が繁殖しやすく、気温が低下する冬はウイルスが流行するので注意が必要です。食中毒になると下痢や腹痛の他にも発熱や吐き気など様々な症状が起き、命が危険になることもあります。実際に生じる症状は細菌の種類などによって異なりますが、しっかりと温度管理を行っていれば被害を防ぐことが可能です。
カンピロバクターは加熱されていない鶏肉などの肉類や飲料水、生野菜などが原因で感染します。ペットから感染することもあり下痢や腹痛の他に発熱や吐き気、筋肉痛などを引き起こします。十分に火が通っていない焼き鳥やしっかりと現れていない野菜、井戸水や湧き水などから感染することがあります。カンピロバクターは乾燥に弱く、加熱すれば死滅させることが可能な菌類です。
他にもサルモネラ菌やノロウイルス、E型肝炎ウイルスなどが食中毒の原因となりますが温度管理を適切に行えば被害を未然に防ぐことができます。日本では2021年から、全ての食品関連企業にHACCPという衛生管理手法の導入と運用が義務付けられました。HACCPは世界的な標準となっている衛生管理の手法であり、全ての製造工程を細分化してリスク管理を行います。特に重要な加熱や冷却などの工程では厳格な管理が行われていて、不良品が発生して出荷されるのを防ぐことができます。
不良品が出荷されて食中毒などのトラブルが起きるのを防ぐことができるため、日本だけでなく世界中の食品関連企業がこの手法を採用しています。